賃貸住宅は外観や耐久性だけでなく住みやすさで選びましょう。多少賃貸料が高くても、駅に近いほうが通いやすくて便利です。クローゼットの広さやバスルームやトイレに換気扇があるか、追い焚き機能がついているかなど隅々まで見ておきます。
賃貸住宅に入居する場合、一般的には家賃の6か月分程度の初期費用が必要だと言われています。その内訳は個々の物件によって差がありますが、平均的なパターンとしては敷金が2か月分、礼金が1〜2か月分、前家賃が入居日に応じて1〜2か月分、そして仲介手数料が1か月分といったところです。ここで注意が必要なのが、礼金についてです。敷金・家賃・仲介手数料はそれぞれ支払う目的がはっきりしていますが、礼金については明確な根拠がありません。もともと初めて一人暮らしをする子供のために親が家主にあいさつ代わりに手渡したのが起源だとも言われていますが、現在は慣習的にやり取りされているのが実情です。法令等においても規定はありません。
しかし最近では、この礼金に関する取扱いに若干の変化が見られるようになってきています。それは、礼金なし物件と呼ばれる物件が増えてきていることです。礼金なし物件とは、その名のとおり礼金の支払いが不要なアパートやマンション等のことです。入居者にとっては家賃の1〜2か月分程度の初期費用を節約することができるため、たいへん歓迎されています。礼金なし物件が増加している背景には、入居者獲得のための競争が激しくなっているという事実があります。少子化によって賃貸住宅の中心的な利用者層である独身の若者が減少し、全体的な入居率が下がってきているのです。そこで、礼金という一時的な収入よりも長期的な家賃収入の確保を重視して、礼金なし物件とすることで初期費用の安さをセールスポイントにしているのです。